WaveError 信号劣化度の比較(8) AAC(iTunes CBR) 【やってみた】


前回、MP3(iTunes VBR)のビットレート毎の違いを比較しましたが、今回は、AACエンコード(iTunes CBR)のビットレート毎の違いを比較してみたいと思います。前回同様SoundEngineWaveErrorを使って、エンコード前のWAVEファイルとエンコード・デコード後のWAVEファイル間の信号劣化度を測定します。

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信号劣化度の測定

サンプル音としては、WaveGeneratorで生成したピンクノイズ(自然界によくありふれている音)を使用します。フォーマットは、100秒、44.1kHz/16bit/ステレオです。周波数特性はこのような感じ。周波数帯域全体に渡り成分を含み、高域に行くに従い減衰しているのがわかります。

pink_noise_spectrum.gif

エンコード・デコードはiTunesを使ってみました。iTunesの設定は以下の通りです。

cbr_encode.gif

以下ビットレート毎の信号劣化度(Average Fixed Mode)の結果を紹介します。

CBR 64kbps

低ビットレート。

信号劣化度(MSE:二乗誤差平均)は、-20.34dB。この値が低いほど原音に近いことを示します。周波数特性はこのような感じ。

64kbps.gif
 

CBR 96kbps

若干低ビットレート。

信号劣化度は、-22.12dB。64kbpsより改善されています。周波数特性はこのような感じ。

96kbps.gif
 

CBR 128kbps

よく使用されるビットレート。iTunesでは高音質と表記されている。

信号劣化度は、-23.95dB。96kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。

128kbps.gif
 

CBR 160kbps

標準より少し高めのビットレート。

信号劣化度は、-25.29dB。128kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。

160kbps.gif

やはり、エンコード時のビットレートが大きいほど劣化度も小さくなっていることがわかります。また、パワーやスペクトラムでも劣化度が低くなり、平均音量の違いもエンコード時のビットレートが大きくなるほど改善されていることがわかります。

CBR 192kbps ステレオ

高めのビットレート。

信号劣化度は、-26.73dB。160kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。

192kbps.gif
 

CBR 320kbps ステレオ

iTunesで設定できる最大ビットレート。

信号劣化度は、-31.54dB。192kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。

320kbps.gif

ビットレートが高い程よい結果になっているのがわかります。また、前に行なったMP3(午後のこ〜だ CBR)MP3(iTunes CBR)と比較してみると低ビットレート(96kbps以下)の時には「午後>AAC(iTunes)>MP3(iTunes)」となっており、128kbpsの時には「AAC(iTunes)>午後>MP3(iTunes)」160kbpsの時には「AAC(iTunes)≒午後>MP3(iTunes)」となりそれ以上では「午後>MP3(iTunes)>AAC(iTunes)」のような感じになっているようです。

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