SoundEngineスクリプトは、SoundEngineをスクリプトにしたがって処理する方法です。いくつかのファイルに対して同じ処理をする場合や、毎度同じ一連の処理をする場合などに有効的です。
スクリプトタブを使うことでスクリプトを記述したりライブラリー化することが可能です。ライブラリー化(保存)したスクリプトはスクリプトメニューから実効可能です。
スクリプトは、Shift-JISのテキスト形式で書かれ、初期化ファイルと同じ書式で構成されており、を上から順に処理します。[xxx]のタグで処理が指定され、その下にxxx=xxxでパラメーターを記述します。
タグ
File Open
ファイルを開く操作を記述する時に使う処理で、スクリプト中では
[File Open]
で記述します。要素としては、現在「Text=」と「Option=Force」が使えます。Textは、ファイルダイアログのタイトルとして表示され、Option=Forceは、ファイルが読み込まれ処理されている時に強制的にこのFile Openを実行します。このOption=Forceが書かれていない場合、ファイルが読み込まれていればファイルを開くが単にスルーされます。
File Save
ファイルを保存する操作を記述する時に使う処理で、スクリプト中は、
[File Save]
と記述します。要素としては、現在「FilePath=」と「Extension=」、「Sec=」が使えます。FilePathは、保存ファイルのパスを設定可能です。Extensionでは、拡張子を設定できます。
Folder Open, Folder Save
フォルダを内の全てのファイルを順番に処理するスクリプトです。
[Folder Open] [Folder Save]
で記述します。「Text=」を使うとその後の文字列がフォルダを開く画面に表示されます。具体的な使い方ですが、この[Folder Open]から[Folder Save]の間に処理を書きます。例えば、
[Folder Open] [Volume] Parameter1=-6 [Folder Save]
といった具合です。ここでは、まず[Folder Open]で入力フォルダを選択し、ファイルを開いて-6dBのボリューム処理を行い[Folder Save]で出力フォルダを選択し、ファイルを保存します。入力フォルダに他のファイルがあった場合それを開いて同じように処理・保存を行います。(なお、保存ファイル名は、開いたファイルと同じ名前になります。)
また、「FolderPath=」で最初からフォルダを指定することもできます。
[Folder Open] FolderPath=C:\Documents and Settings\User\My Documents\Wave\
といった感じです。また、[Folder Save]には、Extension=で保存時の拡張子も設定することができます。ここで、Option=ShowOnceを設定した場合、保存設定ダイアログがある場合一度だけ設定画面が表示されます。
[Folder Save] Extension=wav Option=ShowOnce
Message Box
メッセージボックスを出すだけのタグです。「Text=」でメッセージを指定します。例えば、スクリプトの最後に、このようなものを追加すると終了時にメッセージボックスが表示されます。
[Message Box] Text=処理が終了しました。
Mark
マークを保存、読み込みできるスクリプトです。スクリプトをエクスポートした時に現在のマークが保存されます。例えば、こんな感じです。
[Mark] Pos=3776,6496,9376
Pos以降の値を手入力する場合、時間でも書くことができます。Selection同様に3.0で3秒-1:0で後ろから1分の位置を示します。
その他の処理(編集、エフェクト)
その他、タグには以下のようなものがあります。
- [Auto Maximize]
- [Auto Balance]
- [PM Average Aduster]
- [Copy]
- [Cross Fade]
- [Cut]
- [DC Offset]
- [Aplly Play Speed]
- [Delete]
- [Fade In]
- [Real Fade]
- [Fade Out]
- [Insert Silence]
- [Mix]
- [Normalize]
- [Out Format]
- [Format Converter]
- [Paste]
- [Reverse]
- [Both Ends Insert Silence]
- [Silence]
- [Both Ends Silence Cut]
- [Silence Cut]
- [Sampling Convert]
- [Trim]
- [Limiter]
- [Compressor]
- [Noise Gate]
- [Volume]
- [Ch Delay & Pan]
- [Chorus]
- [Surround]
- [Delay]
- [Reverb]
- [Space EQ]
- [Booster]
- [FIR Filter]
- [IIR Filter]
- [Nonlinear]
- [Dynamic EQ]
- [Dynamic Filter]
- [Filter]
- [Enhancer]
- [Filter]
- [Isolator]
- [High Generator]
- [3Band EQ]
- [Graphic EQ]
- [1Point EQ]
- [Paragraphic EQ]
- [Mastering Processor]
- [Noise Suppressor]
- [Distortion]
- [Lo-Fi]
- [Octaver]
- [Reverb Cut]
- [Super Phaser]
- [Tremolo]
- [Vibrate]
- [Vocal Cut]
パラメーター
Selection
大抵の処理には、選択範囲(Selection=)を指定し、
Selection=開始位置,終了位置,左右
というような3つの要素で記述します。
開始位置・終了位置は、サンプル数もしくは時間で指定することができます。単純に数値を記述した場合サンプル数として認識します。一方、1:23:45.67のように「:」と「.」で区切られた値で記述した場合時間として認識します。(この場合1時間23分45.670秒を示します。)
なお、この位置の記述で一番前に「-」を書くと最後尾からの位置を示します。例えば、5分の音声に対して、-1:00は、最後から1分の前の位置つまり最初から4分の位置を示します。
左右では、0が左チャンネルのみ、1が右チャンネルのみ、-1が全チャンネルを示します。
Option=Show
エフェクターなどに「Option=Show」をつけると通常エフェクトをかけるようにエフェクト設定ウィンドウが表示されるようになります。例えば、
[Volume] Parameter1=-6 Option=Show
とすると、初期設定-6dBの状態でエフェクト設定ウィンドウが表示されます。エフェクトをかける流れは決まってるが微調整したい場合などに使えるかと思います。
Option=ShowOnce
ShowOnceオプションは、[Folder Open][Folder Save]のフォルダー一括処理を行う時などに便利なものです。エフェクタの設定を最初の一回だけ行いたい時などに、このオプションを使うと一度だけ表示され、あとはそこで設定したパラメータが毎回使用されます。
[Folder Open] [Volume] Parameter1=-6 Option=ShowOnce [Folder Save]
といったスクリプトがあった場合、1個目のファイルはボリューム設定画面がでますが、2個目のファイル以降はそこで設定した値にに従って処理します。