SoundEngineでの録音の仕方・使い方をやさしく解説(1) 配線接続 【チュートリアル】


SoundEngineを利用した初心者向けのアナログ音源(テープ・MD・レコード・マイクなど)のデジタル化ガイドです。

こちらの内容をリニューアルしました。

SoundEngineでの録音の仕方、使い方をやさしく解説(1) ~ 接続、Windows設定

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1.配線

ここでは、デンスケなどのアナログカセットやDTM音源、ミキサー等からの音声信号をパソコンに入力する配線について説明します。

基本的には、オーディオ機器の配線と全く同一で、出力から入力へと接続するだけです。この説明で判る方は、この節は読み飛ばして結構です。

シンセサイザーは一般にフォンジャック(以下ジャック)が使われます。エフェクタやミキサー、音源のような音楽器材はジャックの事が多いかと思います。ただ、SC-88ProのようなRoland音源はRCAピンジャック(ピン)だったりするので、油断しないようにしましょう。

AV機器はピンであることが多いです。民生用のビデオやテレビはまずピンでしょう。オーディオ機器はピンだと思いますが、MTRやポータブル機器あたりだと、ジャックやミニジャックだったりすることもあります。

また、機器が音声を送り出すレベルの問題もあります。ポータブル機器などを接続する時は意識した方が良いでしょう。

  • 民生用の機器の出力は大体同じレベルであるから無抵抗のケーブルで良い。
  • コネクタの前に入っている出力アンプがスピーカーやヘッドホン用のものだったりする場合は、ラインレベルではないのでケーブルは抵抗入りでなければならない場合がある。
  • ポータブル機器の場合、音量の調整が効く事が多く、また様々な要素が関係してくるので、ヘッドホン出力からの接続であっても無抵抗のケーブルでなければならない場合もある。

2.パソコンへの接続

物理的に配線をしないことには、音はどう頑張ってもパソコンまで届きません。つないでみると、こんな感じでしょうか。

conimg.jpg

MDウォークマンのヘッドホン出力から、PCのライン入力に接続しています。パソコン側はこんな感じです。

ちなみに、こんなケーブルを使ってますが、ミニジャック−ミニジャック(無抵抗)のケーブルがあれば、この場合それが一番です。ただ、写真に写っているミニジャック−ピン というコードは、パソコンで音を扱おうと思うと世話になるケーブルだと思いますので、持っていても損はないと思います。

ポイント

  • 基本は、出力から信号が出て、入力で受ける。ただこれだけ。
  • 特にポータブル機器などから接続する時、ケーブルは抵抗入りではないものを使う。

3.設定

当たり前のように話を進めてますけど、SoundEngineはインストールされて動作する事が前提です。まだの方はこちら

さて、では設定に移ります。早速SoundEnginefの起動、と行きたいところですが、その前に配線が正しく接続されている事を確認しましょう。

ボリュームコントロールの起動

icon.jpg

画面の右下の時間などが出ている部分にスピーカーのマークがあると思います。それをダブルクリックします。

再生コントロールの調整

volume-play.jpg

すると、こんなウィンドウが開くと思います。これが、サウンドカードの再生ボリュームのコントロールです。ライン入力にデバイスを繋いだ場合、「ライン入力」というフェーダーがありますので、そのボリュームを上げ更に選択にチェックを付けます。

このボリュームは、サウンドカードの出力レベルの調整です。そのため、例えばサウンドカードの出力からアンプとスピーカーに繋いでいる方の場合は、感覚的には再生音量の調整という事になります。

例えば普通、再生をしている音楽CDのボリュームを調整したければ「CDオーディオ」のフェーダーを選択すればよいでしょう。また、waveファイルやmp3ファイルの再生音などの音量を調整したければ、WAVEのフェーダーを調整すれば良いわけです。 ここで注意しなければいけないのは、これは録音ボリュームとは関係ないということです。その点に付いては、後ほど記述します。

補足…目的のコントロールが無い場合

「ボリュームコントロール」の、「オプション」−「プロパティ」と進んでいくと以下のような画面になりますので、画像中で示されている場所にチェックが入っているか確認してください。

volume-ppt.jpg
 

4.音出し

ここまでの作業が終わりましたら、接続した機器から音を出してみましょう。どうでしょうか。パソコンを経由(thru)して音がモニター出来るでしょうか?

音が確認できれば、物理的な接続は完了と思って良いでしょう。音が出なかった場合、配線に問題があるか、または再生ボリュームコントロールの設定に問題がある事になります。確認してください。

録音コントロールの設定

さて、最後に録音する音量の設定を行います。Windowsは、再生(サウンドカードから出力)する音声のミキサーと、録音する音声のミキサーとが別になっています。そのため、録音コントロールを適切に設定しなければ、パソコンから音は聞こえるのにSoundEngineで録音は出来ない…となってしまいます。

では、録音音量の設定をしてみましょう。単純にミキサーを開くと、再生音量の調整が出てきましたね。録音音量を設定するには、次のようにします。

ボリュームコントロール」の「オプション」−「プロパティ」と進み、次の画面を開く。

volume-selrec.jpg

画像の指示にあるように、「録音」を選択する。

これで、録音ミキサーに切り替わります。調整の方法は再生の時と同じです。録音したい入力元を選択してみましょう。

  • フェーダーは適切に設定されているか?
  • 録音したい入力が「選択」されているか?

以上の事を確認してみて下さい。

ポイント

  • Windowsミキサーでは、「再生ボリューム」と「録音ボリューム」は別物である。
  • 配線は一つずつ確実に確認していくと間違いは少ない。

5.デジタル化ということ

お疲れ様でした。下準備が終わりました。さて、ここで、これからする事の意味をちょっと考えてみましょう。「とにかく録音したい」という方は読み飛ばしてください。ただ、読んでみてもあとあと役に立つ可能性もあります。

ADCとDAC、この単語を聞いた事があるでしょうか?Analog Digital Converter / Digital Analog Converter です。

アナログというのは、今配線したケーブルを通る信号を示します。音声が連続的な電圧の変化によって表現されていると考えればよいでしょう。

それにたいし、デジタル信号とは何でしょうか。デジタルというからには0と1で表現されるわけですが、具体的に何を0と1で表現しているかというと、パルス符号変調(PCM)というもので、パルス振幅変調(PAM)によって連続して変化する情報信号波形をPAM信号に変換し、振幅の変化するパルス列に変換したものです。(標本化)

ここで大事なのはイメージです。電気の振動で表現されている音声(アナログ音声)を、とても細かい間隔(1/44100秒とか)でテスターで測っていきます。

すると、電圧で表現されている音声が、数字になるのがわかるでしょうか。このようなことがサンプリングというものです。サウンドカードというのは、音声信号のサンプリングに特化されたADCと言える訳ですね。また、オーディオの世界でしばしば問題になるDACは、この逆の操作を行うもの、という理解になると思います。

さて、重要な定理があります。これは、数式はわからなくても、一歩進んだデジタル音声との付き合い方をするならば是非覚えておきましょう。

標本化定理:サンプリング周波数の半分の周波数まで録音(表現)できる。

例えば、44.1KHzでサンプリングした場合、0〜22.05Khzの周波数の音が録音することが可能です。22KHzでサンプリングした場合、0〜11KHzの周波数の音が録音されます。ちなみに、サンプリング周波数とは1秒間に何回電圧を測るか、ということです。

さて、「ビット数」というものについて疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。よく、録音の設定で「44.1KHz/16bit」というのがあります。この16bitというのはどんな意味でしょう?ビット数とは何かというと、我々が普段使う数字は10進ですが、コンピューターは基本的に電圧の大・小でしか判断できないため、必然的に2進数になります。例えば、4(10進)を2進数で表すと、100(2)となります。これで3ビット。31(10)= 11111(2) 5ビット 255(10)=11111111(2) 8ビットとなります。

先に、「電気の振動の電圧をテスターで測定している」と書きました。ここで、テスターで測定した電圧をどの程度細かく記録するか、というのがビット数になります。8ビットだと、256段階で記録することになりますね。これが16ビットだと、より細かくなるわけです。

さて、サウンドカードとSoundEngineが何をやっているか、多少はイメージ出来たでしょうか。このようにイメージとして捉えていけば、何も難しいことはないと思います。

次は、「SoundEngineでの録音の仕方・使い方をやさしく解説(2) 録音開始」でSoundEngineを使って録音していきます。

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