圧縮した動画や音声などの品質を決める指標としてビットレートというものがあります。ビットレートとは1秒当たりのビット数であり、一般にビットレートが高いほど高品質とされています。しかし、その分ファイルサイズは大きくなってしまいます。
圧縮の方法には圧縮の際のビットレートの振る舞いで、固定ビットレート(Constant Bit rate, CBR)方式、可変ビットレート(Variable Bit Rate, VBR)、平均ビットレート方式(Averate Bit Rate, ABR)に分類する事が出来ます。
固定ビットレート(CBR)の特徴
ビットレートを一定にして圧縮する方法を固定ビットレート(Constant Bit rate, CBR)方式と言います。ビットレートが固定なので、圧縮後のファイルサイズを予測する事が容易なだけでなく、再生位置のシークを高速に行う事ができます。しかし、動画では動きの少ない場面と多い場面で品質が変わってしまうなどの問題があります。
非圧縮のWAVEやAIFFもCBRと言えるでしょう。
- 利点
- 圧縮後のファイルサイズを予測する事が可能
- 再生位置のシークを高速に行う事が可能
- 欠点
- 品質にばらつきが生じやすい
可変ビットレート(VBR)の特徴
ビットレートを変動させて圧縮する方法を可変ビットレート(Variable Bit Rate, VBR)方式と言います。VBR方式はデータの変動が激しい箇所はビットレートを高く、変動が緩やかな箇所を低くして圧縮するので、全体で品質を一定に保つ事ができ、CBRと比較して高品質で圧縮できると言われています。しかし、ビットレートが時々刻々変化するため圧縮後のファイルサイズは予測できません。また、CBRより再生位置のシークに時間がかかってしまいます。
- 利点
- 品質をコントロールしやすい
- 高品質
- 欠点
- 圧縮後のファイルサイズを予測する事が困難
- 再生位置のシークに時間がかかる
平均ビットレート(ABR)の特徴
ビットレートは可変なものの、ビットレートの平均値を一定にして圧縮する方法を平均ビットレート方式(Averate Bit Rate, ABR)と言います。この方式ではビットレートは変動しますが、データ全体での平均ビットレートが一定になるように圧縮するため、ある程度最終的なファイルサイズを予測する事ができます。これにより、VBRのように品質を保つ事ができる上、CBRのようにファイルサイズを予測する事もできます。しかし、圧縮前に最低一回はデータをスキャンする必要が有るため他の方式よりも処理に時間がかかります。
- 利点
- 品質をある程度保つ事が可能
- ファイルサイズを有る程度予測可能
- 欠点
- 圧縮処理に時間がかかる
主な音声圧縮フォーマットのビットレート方式
- MP3
- CBR, VBR
- WMA
- CBR, VBR
- AAC
- VBR, ABR
- Ogg Vorbis
- VBR, ABR
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