SoundEngineのツールメニューから使用することが出来るWaveErrorでは、2つの音声ファイル間の信号劣化度を測定することができます。今回は、これを利用してWMAエンコードのビットレート毎の違いを比較してみたいと思います。
信号劣化度の測定
サンプル音としては、WaveGeneratorで生成したピンクノイズ(自然界によくありふれている音)を使用します。フォーマットは、100秒、44.1kHz/16bit/ステレオです。
周波数特性はこのような感じ。周波数帯域全体に渡り成分を含み、高域に行くに従い減衰しているのがわかります。
エンコードにはWindows Media 8 エンコード ユーティリティを、デコードはiTunesを使ってみました。以下ビットレート毎の信号劣化度(Average Fixed Mode)の結果を紹介します。
48kbps
CDに近い品質とのこと。
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MSE: -18.82 dB Power MSE: -26.43 dB Spectrum MSE: -16.92 dB |
信号劣化度(MSE:二乗誤差平均)は、-18.82dB。この値が低いほど原音に近いことを示します。周波数特性はこのような感じ。
64kbps
CD品質とのこと。
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MSE: -20.07 dB Power MSE: -27.62 dB Spectrum MSE: -19.05 dB |
信号劣化度は、-20.07dB。48kbpsよりは改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。
96kbps
CDオーディオファン品質とのこと。
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MSE: -21.93 dB Power MSE: -29.41 dB Spectrum MSE: -22.42 dB |
信号劣化度は、-21.93dB。64kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。
128kbps
こちらもCDオーディオファン品質とのこと。wm8eutilで設定できる最大ビットレート。
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MSE: -23.43 dB Power MSE: -30.88 dB Spectrum MSE: -25.17 dB |
信号劣化度は、-23.43dB。96kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。
やはり、エンコード時のビットレートが大きいほど劣化度も小さくなっていることがわかります。また、パワーやスペクトラムでも劣化度が低くなり、エンコード時のビットレートが大きくなるほど改善されていることがわかります。
次はMP3(午後のこ〜だ)での信号劣化度を比較してみます。
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