前回、SoundEngine(音量調整)の信号劣化度の違いを比較しましたが、今回は、Ogg Vorbisエンコードのビットレート毎の違いを比較してみたいと思います。前回同様SoundEngineのWaveErrorを使って、エンコード前のWAVEファイルとエンコード・デコード後のWAVEファイル間の信号劣化度を測定します。
信号劣化度の測定
サンプル音としては、WaveGeneratorで生成したピンクノイズ(自然界によくありふれている音)を使用します。フォーマットは、100秒、44.1kHz/16bit/ステレオです。周波数特性はこのような感じ。周波数帯域全体に渡り成分を含み、高域に行くに従い減衰しているのがわかります。
エンコード・デコードはSoundEngine(ogg.dll、vorbis.dll、vorbisfile.dll、vorbisenc.dll)を使ってみました。以下ビットレート毎の信号劣化度(Average Fixed Mode)の結果を紹介します。
64kbps Quality 0.0
oggではかなりの低ビットレート。
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MSE: -18.51 dB Power MSE: -26.14 dB Spectrum MSE: -23.45 dB |
信号劣化度(MSE:二乗誤差平均)は、-18.51dB。この値が低いほど原音に近いことを示します。周波数特性はこのような感じ。
96kbps Quality 0.2
若干低ビットレート。
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MSE: -20.40 dB Power MSE: -27.92 dB Spectrum MSE: -26.31 dB |
信号劣化度は、-20.40dB。64kbpsより改善されています。周波数特性はこのような感じ。
112kbps Quality 0.3
Ogg Vorbisの標準ビットレート。CD品質とのこと。
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MSE: -21.19 dB Power MSE: -28.68 dB Spectrum MSE: -27.30 dB |
信号劣化度は、-21.19dB。96kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。
128kbps Quality 0.4
よく使用されるビットレート。CD品質。
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MSE: -22.06 dB Power MSE: -29.52 dB Spectrum MSE: -27.31 dB |
信号劣化度は、-23.75dB。128kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。
192kbps Quality 0.6
少し高めのビットレート。
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MSE: -28.52 dB Power MSE: -35.70 dB Spectrum MSE: -30.72 dB |
信号劣化度は、-28.52dB。128kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。
320kbps Quality 0.9
高めのビットレート(Ogg Vorbisの最高は500kbpsのようです)。
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MSE: -35.69 dB Power MSE: -42.85 dB Spectrum MSE: -37.28 dB |
信号劣化度は、-35.69dB。192kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。
信号劣化度で比較すると同ビットレートでは、MP3(午後のこ〜だ CBR)よりは同じかちょっと悪いぐらいです。ただ、周波数特性の劣化度でいうとOgg Vorbisの方が品質がよいという結果になっています。
次は、MP3(iTunes CBR)について見てみようかと。
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