前回、AAC(iTunes CBR)のビットレート毎の違いを比較しましたが、今回は、AACエンコード(iTunes VBR)のビットレート毎の違いを比較してみたいと思います。前回同様SoundEngineのWaveErrorを使って、エンコード前のWAVEファイルとエンコード・デコード後のWAVEファイル間の信号劣化度を測定します。
信号劣化度の測定
サンプル音としては、WaveGeneratorで生成したピンクノイズ(自然界によくありふれている音)を使用します。フォーマットは、100秒、44.1kHz/16bit/ステレオです。周波数特性はこのような感じ。周波数帯域全体に渡り成分を含み、高域に行くに従い減衰しているのがわかります。
エンコード・デコードはiTunesを使ってみました。iTunesの設定は以下の通りです。
以下ビットレート毎の信号劣化度(Average Fixed Mode)の結果を紹介します。
VBR 64kbps
64kbpsはVBRの場合有効ではないようです。
VBR 96kbps
若干低ビットレート。
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1 2 3 |
MSE: -23.09 dB Power MSE: -30.54 dB Spectrum MSE: -24.12 dB |
信号劣化度は、-23.09dB。周波数特性はこのような感じ。
VBR 128kbps
よく使用されるビットレート。iTunesでは高音質と表記されている。
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1 2 3 |
MSE: -25.04 dB Power MSE: -32.44 dB Spectrum MSE: -25.12 dB |
信号劣化度は、-25.04dB。96kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。
VBR 160kbps
標準より少し高めのビットレート。
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1 2 3 |
MSE: -26.51 dB Power MSE: -33.89 dB Spectrum MSE: -26.25 dB |
信号劣化度は、-26.51dB。128kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。
VBR 192kbps ステレオ
高めのビットレート。
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1 2 3 |
MSE: -27.69 dB Power MSE: -35.10 dB Spectrum MSE: -27.20 dB |
信号劣化度は、-27.69dB。160kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。
VBR 320kbps ステレオ
320kbpsはVBRの場合有効ではないようです。
ビットレートが高い程よい結果になっているのがわかります。また、前に行なったAAC(iTunes CBR)やMP3(午後のこ〜だ ABR)と比較してみるとどのビットレートでも今回のVBRの方がよい値になっています。MP3(iTunes VBR)の場合もほぼ同様に今回のVBRの方がよい値ですが、192kbpsの時にだけMP3(iTunes VBR)の方がよい値になっているようです。