前回は、中級編を紹介しました。今回は上級編です。
狙うとは
狙って効果音を作るにはどのようなプロセスが必要かというと、一つは狙っている音をイメージするということです。一体これから作ろうとしている音がどんな音なのか思い描かなければ作れません。
そしてもう一つは、Beam2002のパラメータの役割をよく知り、どうすればどうなるかイメージできることです。これは、具体的にも次から説明していきますが、実際いじりまくった方が分かりやすいかもしれません。
Generator
Generatorは、波形を生成する部分です。G1とG2二つの波形生成装置があります。それぞれ、似た構成となってますが微妙に違います。
- 波形
- 波形は基本12波形+ROM+WaveInが使えます。ROMは、波形をデータから生成する方法で、46種類付属しています。また、自分で作ることもできます。WaveInは、Waveファイルをそのまま波形として使うもので、音声ファイルを加工したい時などに使えます。BeamInでは、Beam 効果音検索に存在する音を波形として使うことが出来ます。
- Pitch
- 波形のピッチ(音程)を調整
- Fine
- 波形のより細かいピッチを調整
- Volume
- 波形の音量(大きさ)を調整
- Rev
- 波形を上下反転します。通常上下反転による周波数特性の差はありません。
- Sync
- G1の波形周期に同期します。より複雑な音を得たい時などに。
- LFO
- G2のピッチを-48(-4オクターブ)シフトさせます。G2をLFO(低周波数オーシレーター)として使う場合に使うとよいかも知れません。
Mix
Mixは、上のG1とG2をどのように混ぜるかを設定します。主に、G1をマスターにG2をトリガー的に使います。
- +
- G1,G2を単に足し合わせます。単にG1、G2を混ぜた音を使いたい時に。
- FM
- G1をG2で周波数変調します。より複雑な響きや上下するピッチの音を使いたい時に。
- x
- G1にG2をかけ合わせます。金属的な響きや断続した音を使いたい時に。
- %
- G1をG2で割ったの剰余を取ります。より複雑な響きやノイジイな音を使いたい時に。
- G1
- G1のみを使います。
- G2
- G2のみを使います。
- Sw
- G1からG2へ音量を変化させます。時間変化のある波形を作りたいとき。
- Lpf
- G1の波形をG2をエンベロープとしたローパスフィルターをかけます。より複雑な響きを使いたい時に。
Edit
Editでは、音に色々と効果を付けます。
- Shift
- 波形の直流成分を足し、Bitの折り返しによる複雑な非整数次倍音を作ります。
- n Times
- 波形の音量を増やし、Bitの折り返しによる複雑な非整数次倍音を作ります。爆発音などを作る時に。
- Sqrt-Pulse
- 矩形波に近づけたり、パルス波に近づけたりします。音を太くもしくは細くします。
- Mod
- 波形を剰余を計算し、複雑な非整数次倍音を作ります。爆発音などを作る時に。
- 1Step IIR
- 高域を強めて細くするか、低域を強めて太くすることができます。
- Nazo Filter
- 波形に周波数折り返しを作り非整数次倍音を作ります。機械的音声などを作る時に。
- Fir Sweep
- ?
- Phase
- 波形を時間に沿って少しずつフェーズシフトし、独特な癖を付けます。ジェット機・ミサイルの音を作る時に。
Option
スイッチ的に効果を付けます。InsertEditを押すとEdit処理を行う前にOptionの処理を行いますので、Editの効果をさらに複雑にすることが出来ます。
- Turn
- SineFM
- SawFM
- +Z-2
- -Z-8
- Change
- xZ-1
- Smooth
- 音を滑らかに高域を丸くします
- 1bit
- 音を1bit化しデジタル的な歪みを作ります
Filter
Filterは、周波数特性の時間変化を設定できます。
- 1->2
- Filter 1のグラフをFilter 2にコピーします。同じグラフを使いたいときに
- Rev
- グラフを時間方向に反転
- Reset
- Filter 1でResetを押すとグラフが初期状態になります。Filter 2でResetを押すとFilter 1と同じグラフになります
- LpFilter
- ローパスフィルターを使うかどうか
- HpFilter
- ハイパスフィルターを使うかどうか
- InsertG1
- フィルターをGenerator1の後ろに挿入して使います
- InsertG2
- フィルターをGenerator2の後ろに挿入して使います
- HPF
- ハイパスフィルターの低域をカットする周波数を設定
- Reso
- ローパスフィルターのレゾナンス(周波数共鳴)の度合いを設定
- グラフ
- ローパスフィルターの高域カット周波数の時間変化を設定、5つの丸(ポイント)を操作してグラフを作って下さい。作った自分でもすっかり忘れてましたが、一番左側の丸をダブルクリックすると横一列に並びます。これを使って、常に一定の周波数のローパスを作ることが簡単にできます。
Amp
Ampは、何かというと音量の時間変化を示してます。
グラフ部分でその音量の時間変化を設定します。アタックが強いものを作りたいとき、グラフの立ち上がりを急にします。アタックが弱いものを作りたいときグラフの立ち上がりを緩やかにします。また、グラフの一番左側の丸をダブルクリックすると丸が横一列に並び、音量が最初から最後まで変わらなくなります。
Dist
Distは、ひずみ量を示してます。ひずませるほど音量が大きくなり荒くなる傾向にあります。
- Dist
- Distの横のチェックボックスを押すことでDistが有効になり、その横のスライダーでそのひずみ量を設定します。
- Hard-Soft
- ひずみを柔らかくするパラメータです。ちなみにいうとDry-Wet(ドライーウエット)です。
Beam 効果音検索への登録
さぁ、以上で初級編〜上級編まで終わりです。いい音ができたら、ぜひ効果音検索の方に登録してみんなに聞いてもらいましょう。
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