SoundEngine 音声マスタリング(1) 周波数特性直線の調整 【チュートリアル】


楽曲やラジオ、ビデオのBGMなどの音声コンテンツ作成における最終調整について、楽曲・ラジオ作成の最終調整(マスタリング)で取り上げましたが、具体的にSoundEngineでそれらを行なっていく方法を解説していこうかと思います(RadioLineやその他マルチトラック編集ソフトでミキシングされたステレオ音声ファイルがすでに出来上がっている段階での調整)。

今回は周波数特性直線の調整について説明します。なお、サンプルとして次のようなReasonで適当に作った音声ファイルを使って説明します。

スポンサーリンク


sample

 

周波数特性直線

周波数特性直線という正式な単語があるかどうかはわかりませんが、次の画面のような低域と高域のバランスを直線的にとらえそれを調整する方法を紹介します(ちなみにこの画面はサンプル曲の一部分のスペクトラムアナライザー画面に黄色い直線を描いたもの)。大体このような傾きの直線に近似される周波数特性になっています。

spectrum_line_0.gif
 

調整理由

さて、なぜこの傾きを調整する必要があるかということについてですが、楽曲やラジオをのミキシング作業時のモニタリング環境(スピーカーやヘッドホン)に周波数特性の直線が大きく左右されるからです。

例えば、低音があまり出ないスピーカーで調整すると低音がやたら大きくなってしまったり、高音があまり出ないヘッドホンを使うと今度は高音がとても大きくなってしまったりと、万人の環境に対して聴きやすい周波数特性になっていない場合があります。

また、ミキシング時というのは全体的周波数バランスよりも各楽器や歌声などの音量バランスの調整が一番の課題になりますので全体的周波数バランスをそこで仕上げるのは難しいというのも理由の一つです。

調整方法

今回は、SoundEngine Freeのマスタリングプロセッサーを使って調整します。調整タブの一番左側の質感ノブがこの周波数特性直線を調整するものです。このノブは、左側(マイナス側)にするほど高域が強調され右側(プラス側)にするほど低域が強調された周波数特性になります。

quality_feel_knob_-50.gif

まずは、上の図のように-50%に設定した時の音声と周波数特性の直線。先程の周波数特性直線に比べ角度が緩くなりました。

spectrum_line_-50.gif

sample_-50

つぎに-100%に設定した時の音声と周波数特性の直線。角度が逆になり、低域が高域より弱くなります。

spectrum_line_-100.gif

sample_-100

最後に100%に設定した時の音声と周波数特性の直線。マイナスの時と比べ高域が少し弱く低域が少し強くなる感じになります。

spectrum_line_100.gif

プラス側に設定すると低音が強くなりレベルオーバーする可能性があるので、今回は音量を-6dBに設定して処理しています。

sample_100

簡単に大胆に周波数特性直線を操作することができ、ミキシング後にベースやバスドラムが大きくなってしまった場合などに有効な調整方法です。調整後は、「実行」ボタンを押すと実際に音声ファイルに対して処理を行ないます。

次は低音域のカットについて見ていきます。

スポンサーリンク
カテゴリー: チュートリアル   タグ: ,   この投稿のパーマリンク

SoundEngine 音声マスタリング(1) 周波数特性直線の調整 への1件のコメント

  1. ピンバック: SoundEngine 音声マスタリング(2) 低音域のカット | 豆知識