楽曲・ラジオ作成の最終調整(マスタリング) 【チュートリアル】


マスタリングについて

楽曲・ラジオなどの音声コンテンツを作る場合には、ミックスダウンされたコンテンツの音量や音圧を調整したり、イコライザ処理し質感を補正したり、コンテンツ間の無音の挿入やフェード処理を行い、最終的なコンテンツを完成させます。

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この一連の作業はマスタリングと呼ばれます。マスタリングを行う人(マスタリングエンジニア)の腕次第で楽曲の印象が大幅に変わり、楽曲作成のプロセスのうち非常に重要な役割を担っています。

マスタリングの例

マスタリングでは、例えば次のようなことを一連して行います。

空気感を持たせる
MIDI音源やソフト音源を直録りして作成した楽曲や一般家庭で音声を録音したラジオの場合、空気感が希薄なことがあります。そのような場合はイコライザで高域をブーストすることで、より自然な雰囲気を与えることができます。
立体感を持たせる
上記のような音声コンテンツでは、定位の範囲が狭く立体感に乏しいことがあります。そのような場合、サラウンド処理することで聴感上の広がりを持たせ、臨場感を出すことができます。
直流ノイズ
マイク入力やライン入力などから録音すると直流ノイズが乗ってしまうことがあります。DCオフセット処理を行うことで、この直流ノイズを除去します。
聴感上の音量を揃える
オーディオプレイヤーでJ-POPの曲の後にクラシックの曲を聴くと音が小さく聴こえることがあります。これは聴感上の平均音量がクラシックの方が小さいためと考えられます。アルバムCDやポッドキャストのように複数の音声コンテンツを作成する際などは、コンテンツ間で聴感上の音量がばらつかないようにオートマキシマイズで音量を揃える必要があります。
両端に無音部分を加える
CDやオーディオプレイヤーで何曲も連続で聴くと、曲同士の境は大抵無音になっています(例外としてギャップレスな曲もあります)。通常は曲の開始と終了を示すため両端に一定時間の無音が加えられています。CDアルバムなどを作成する場合は全ての曲に一定の無音時間を付け加えることもあります。

その他、音声マスタリングシリーズのTipsも参考になるかと思います。

モニタリングについて

音声コンテンツ作成において、マスタリングとともに重要な工程の1つにモニタリングというのがあります。音声の編集や楽曲のミックスダウンは通常決まった再生環境で行います。モニタリングとは、様々な再生環境を想定して幾つかの環境でコンテンツのチェックを行うことを言います。

例えば、スピーカーやヘッドフォンを替えたり、イヤフォンやラジカセなどでチェックを行う場合もありますし、車の中のような密閉空間で聴いてみるのもモニタリングの1つです。また、WAVのままだけでなく、MP3にするなどフォーマットを変換して聴き比べることもありますし、一度音楽CDとして焼いてからチェックするのもモニタリングです。様々な環境でモニタリングを行い、コンテンツが不自然に聴こえないようにマスタリングを行っていきます。

モニタリングを行ってみて、元の楽曲のミックスバランスの再調整が必要になる場合が多々あります。そうすると、ミックスダウンを行う度に一からマスタリング作業を行うのは手間がかかり非効率です。このような一連のマスタリング作業を一括して行いたい場合には、SoundEngineでスクリプトにしておくと大変便利です。

次のTipsでは、マスタリングのスクリプトの一例を紹介します。

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