前回は、低音域のカットについて紹介しました。今回は、空気感と丸みを出す方法について紹介します。
空気感
音声の高域部分は、高い音として感じることもありますが空気感として感じることもあります。例えば、楽器を録音した時には、楽器の音の他に打鍵などの音・反響音・奏者の息遣いなど様々な音が入ります。それらは、時にノイズであったりしますが、逆に再生時のいいスパイスとして臨場感を高めることがあります。
SoundEngineのマスタリングプロセッサーには「空気感」というノブがあり、これを操作することで手軽に高域を持ち上げ空気感をより強調することが可能です。音声(ボーカル、朗読など)や生楽器(ピアノ、ギターなど)を録音した音声ファイルなどに利用すると効果的です。
再生しながら空気感のノブを回して調整します。0dBで変更なし、最大24dBまで空気感を持ち上げることができます。3〜6dBの間で使用すると派手すぎずに空気感を強調できるでしょう。「実行」ボタンを押すと処理が開始されます。
サンプル
サンプルの元にした音
周波数特性
空気感を24dB上げた音(わかりやすいよう大げさにかけてみました)
周波数特性
高域(16kHz〜)が持ち上がっているのがわかります。
丸み
音声ファイルの周波数特性を調整しているうちに耳障りな音というのが現われることがあります。これは、歪みであったり高域が持ち上がりすぎている(然界の音は、通常高域行くにしたがって減衰する傾向にある)場合などだったりします。
SoundEngineの調整タブには「丸み」というノブがあり、これを操作することで手軽に音を滑らかにすることが可能です。部分的に耳障りな場合には、その部分を選択して選択範囲に丸み処理を行なうこともできます。
再生しながら丸みのノブを回して調整します。0%で変更なし、最大200%まで丸み処理を行なうことができます。10〜50%の間で使用すると高域を削りすぎることなく丸みを持たせることができるでしょう。「実行」ボタンを押すと処理が開始されます。
サンプル
サンプルの元にした音(空気感のと同じです)
周波数特性
丸みを200%に設定した音(わかりやすいよう大げさにかけてみました)
周波数特性
高域が削られ滑らかになり聞きやすくなっていることがわかります。次は広がりと音量について。
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