WaveError 信号劣化度の比較(6) MP3(iTunes CBR) 【やってみた】


前回、OGG Vorbisのビットレート毎の違いを比較しましたが、今回は、MP3エンコード(iTunes CBR)のビットレート毎の違いを比較してみたいと思います。前回同様SoundEngineWaveErrorを使って、エンコード前のWAVEファイルとエンコード・デコード後のWAVEファイル間の信号劣化度を測定します。

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信号劣化度の測定

サンプル音としては、WaveGeneratorで生成したピンクノイズ(自然界によくありふれている音)を使用します。フォーマットは、100秒、44.1kHz/16bit/ステレオです。周波数特性はこのような感じ。周波数帯域全体に渡り成分を含み、高域に行くに従い減衰しているのがわかります。

pink_noise_spectrum.gif

エンコード・デコードはiTunesを使ってみました。iTunesの設定は以下の通りです(スマートエンコードと10Hz未満カットをチェックなし)。

cbr_encode.gif

以下ビットレート毎の信号劣化度(Average Fixed Mode)の結果を紹介します。

CBR 64kbps ジョイントステレオ

mp3ではかなりの低ビットレート。

信号劣化度(MSE:二乗誤差平均)は、-19.81dB。この値が低いほど原音に近いことを示します。周波数特性はこのような感じ。

64kbps.gif
 

CBR 96kbps ジョイントステレオ

若干低ビットレート。

信号劣化度は、-21.55dB。64kbpsより改善されています。周波数特性はこのような感じ。

96kbps.gif
 

CBR 128kbps ジョイントステレオ

よく使用されるビットレート。CD品質。

信号劣化度は、-23.19dB。96kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。

128kbps.gif
 

CBR 160kbps ジョイントステレオ

おそらくこちらもよく使用されるビットレート。CD品質。

信号劣化度は、-25.29dB。128kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。

160kbps.gif

やはり、エンコード時のビットレートが大きいほど劣化度も小さくなっていることがわかります。また、パワーやスペクトラムでも劣化度が低くなり、平均音量の違いもエンコード時のビットレートが大きくなるほど改善されていることがわかります。

CBR 192kbps ステレオ

少し高めのビットレート。

信号劣化度は、-27.89dB。160kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。

192kbps.gif
 

CBR 320kbps ステレオ

mp3のCBRの最大ビットレート

信号劣化度は、-34.39dB。192kbpsよりさらに改善されているようです。周波数特性はこのような感じ。

320kbps.gif

さすがにビットレートが高い程よい結果になっているのがわかります。また、前に行なったMP3(午後のこ〜だ CBR)と比較してみると同ビットレートの時には午後の方が若干よい(192kbpsを除く)という結果になっています。午後の方が信号再現性は高いかもしれません(逆にiTunesの方が心理音響的な再現性にパラメータを振っているのかもしれません、iTunesの周波数特性をみた感じでは低ビットレートでも高域が出てたりしますので)

次は、MP3(iTunes VBR)について見ていきます。

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